ホテルモントレ株式会社様

オーダーエントリーシステム〈E.M.O〉 お客様事例

~ 「オーダリングシステム(オーダーエントリーシステム)」の導入で、総務の負担削減、レストランでの業務効率化に加え、幅広い分野でのタブレットの活用につながりました ~
ホテルモントレ様E.M.O事例

ホテルモントレグループは1986年の誕生以来、全国各地への展開を行い、現在では札幌・仙台・東京・京都・大阪・神戸・姫路・福岡・長崎・沖縄の全国10都市に21ホテルを展開しています。
ホテルモントレでは、2023年1月にNCS&Aより導入したレストランの「オーダーエントリーシステム〈E.M.O〉」を全店へ導入をすすめ、2023年7月19日に完了しました。「オーダーエントリーシステム」導入前の課題、導入の経緯、導入プロジェクト、そして導入効果について、ホテルモントレ株式会社 企画管理部 システム課 担当課長 藤田成雄様にお話を伺いました。

ホテルモントレグループ様ロゴマーク

ホテルを通じて生活の喜びと潤いのあるサービスを提供

── ホテルモントレ株式会社について、お教えください。

MONTEREY(モントレ)とは、スペイン語で「山の王」を意味します。ホテルモントレは、中世ヨーロッパから始まる欧州文化の中で育まれた伝統や生活様式をテーマに、上質なくつろぎでお客様をお迎えするホテルとして、1986年に誕生しました。

建物のコンセプトは、世界各地の歴史や風土をもとに数々のヒントを得てデザインし、有名な都市景観賞など数多くの賞をいただいています。また、インテリアもアメニティー性を重視し、常にやすらぎの空間作りに心がけ、ロマンチシズムや、夢のある雰囲気が、他のホテルにないモントレスタイルだと言われています。
そして、常に心地よい、ゆったりとしたひとときを楽しんでいただけるよう真心のこもったサービスを心がけ、お泊りいただいたお客様はもとより、宴会やレストランなどをご利用いただいた皆様からも好評を得るべく努力を続けています。

ホテルを通じて生活の喜びと潤いのあるサービスを提供し、地域社会に貢献出来ることをモットーとしています。
現在、ホテルモントレグループは、札幌・仙台・東京・京都・大阪・神戸・姫路・福岡・長崎・沖縄の全国10都市に21ホテルを展開しています。

ホテルモントレ グラスミア大阪 22F フランス料理「エスカーレ」

ホテルモントレ グラスミア大阪 22F フランス料理「エスカーレ」

総務の負担、レストランでの二度手間が課題

── ホテル内のレストランにNCS&Aの「オーダーエントリーシステム」を導入する前は、どのような方法でオーダーを取っていたのですか。

最初にホテルのレストランでのオーダーから会計までの流れをご説明します。
従来、ホテル内のレストランでは複写式の伝票にお客様のオーダーを記入していました。伝票には、ご注文いただいたコース料理のセレクトメニューを記入するだけでなく、アレルギーやその他のご注文、ドリンクオーダーなどを記入します。
記入した伝票のうちの1枚は、この料理のオーダーが入ったことを伝えるため、キッチンに渡されます。ドリンクに関しては、オーダーを受けた担当がメモ用紙にドリンクオーダーの内容を転記して、ドリンクカウンターに渡します。
ドリンク、お料理ともにでき上がると配膳係がお客様のテーブルにお届けします。

伝票のもう1枚は担当が持ったままにしておき、お客様がお帰りになるときに会計に届けます。会計では伝票の内容をPOSに入力して、お会計を行います。そして日々の集計はPOSで行い、翌日、ホテルの総務で伝票とPOSに入力された内容の照らし合わせを行います。伝票とPOSとの整合性が取れない場合はレストランに確認を取ります。この業務で総務の仕事が多すぎるという課題がありました。

── 総務の仕事が多すぎるという課題を具体的に教えてください。

まずレストランから総務に紙の伝票を運ばなくてはなりません。総務はすべてのホテル内にあるのではなく、地区で1ヵ所、あるいは隣接するいくつかのホテルで1ヵ所となっています。
総務では届いた伝票とPOSとの照らし合わせを行いますが、実際にお客様の注文を聞いて、伝票に記入した担当ではなく、まったく状況を知らない総務の人間が行います。そこで相違があった場合は、相違が起きた原因がわかりませんので、一つひとつをレストランの担当者に確認を取り、解決しなくてはなりません。この総務の負担には大きいものがありました。また、紙を移動させますので、総務には紙が多く集まってきます。ペーパーレスが叫ばれている世の中とは逆を行く状況でもありました。

総務の負担が大きいだけでなく、レストランにおいても伝票に記入した後で、ドリンクをメモ用紙に転記する、そして会計の際は伝票を見ながらPOSに入力するという二度手間が何回も発生していました。さらにPOSへの入力に時間がかかると、あってはならないことですが、お客様をお待たせすることもありました。

「総務の仕事が多すぎるという課題がありました」と藤田成雄様。

オーダーエントリーシステム(E.M.O)を導入

── 「オーダーエントリーシステム」を導入するきっかけをお教えください。

こうした総務への負荷、二度手間、お客様をお待たせするといった状況を解消しなければならないことから、「オーダーエントリーシステム」導入の検討が始まりました。その頃には業務推進会議という、業務合理化を推進する部署が活動を行っています。例えばペーパーレスの推進や電子完結、ワークフローシステム導入による印鑑レス、アンケート集計でのOCR導入、客室でお客様にQRコードをスマートフォンで読み取ってもらうAIチャットの導入などに取り組んできました。
そうした活動と並行して、システムの導入により業務を軽減することを目的に「オーダーエントリーシステム」の導入検討も進められました。2019年にはNCS&Aから「オーダーエントリーシステム」の提案をいただいています。

ただ、「オーダーエントリーシステム」導入の前に基幹システムのリプレイスが控えており、基幹システムのリプレイス後に行うこととなりました。

── 導入にあたって、どのような検討が行われたのですか。

基幹システムのリプレイスが終わり、社内に改めて「オーダーエントリーシステム」の提案を行ったのが2022年2月頃です。そして2022年7月には「オーダーエントリーシステム」の導入を決めています。
実は複数のレストランで他社の専用端末を利用するオーダーエントリーシステムをすでに導入していました。そのシステム自体が古くなっていたので、システムをリプレイスして全店に導入することも検討していました。オーダーエントリーシステムについて相談をしていたNCS&Aと打ち合わせたところ、ホテルのレストランでの運用により適したオーダーエントリーシステムを、導入してもらえることになりました。使用する端末についても、専用ではなくタブレットの活用を予定しているとのことでした。

── NCS&Aの「オーダーエントリーシステム」を導入決定された理由をお教えください。

実は当ホテルとNCS&Aは30年近いおつきあいがあり、ホテルの基幹システムや宿泊予約システム、会計システム、財務システム、購買システム、パソコンなどの機器類、各種ネットワークと関連機器などを導入しており、サポートも依頼しています。

当ホテルのことを良く理解してもらっていますし、今回の「オーダーエントリーシステム」の導入に際しては、ホテルのレストランできちんと使える設計にして欲しいということが大前提で、先にお話しした流れがすべてシステムに乗り、自動化できることをお願いしました。ホテルのレストランですので、お料理はコース料理です。担当はただ単に料理のオーダーを聞くのではなく、ワインなどドリンクのご提案や、お客様からのさまざまなご要望に対してのご提案などを行いながら、オーダーを承ります。それをシステムに載せて欲しいと要望しました。

もう一つの要望は早く導入したいということです。当時はコロナ禍ではありましたが、落ち着きを見せ始めており、人の流れも多少戻りつつありました。ただ、ホテルとしてはコロナ禍に対応した体制を採っていましたので、人手が不足していました。システムを導入することで、人手不足の解消にもつながる効果を期待していました。

「E.M.O導入で業務効率化、人手不足解消に期待」と藤田成雄様。

1ヵ月のテスト運用を行い、全店に展開

── 「オーダーエントリーシステム」の導入プロジェクトについてお教えください。

システム導入に際しては、レストランの現場でのヒアリングなどを行い、進めていきました。導入そのものは比較的スムーズに進んだと思います。困ったのがコロナ禍の影響での半導体不足に連動したタブッレットやキッチンプリンタといった機器の入手困難でした。機器によっては納入時期が不明というものもありました。
ただ、オーダーに使用するタブレットは専用端末ではなく、通常の市販されているタブレット端末であれば、iOS、AndroidといったOSに関わらず使用できます。機器不足でタブレットの入手にはかなり苦労しましたが、OSに関わらず使用できる点は救いでしたね。そうした状況でしたので、まずは使用するタブレットやキッチンプリンタについて必要台数を確保した上で、店舗での導入を進めることとしました。

── 店舗での「オーダーエントリーシステム」の導入はどのように進めたのですか。

2023年1月にホテルモントレ グラスミア大阪のレストランでテスト運用し、実際のオペレーションとしてどのように動くのか、現場にとっての不具合がないかなどをチェックしました。テスト運用でシステムのすり合わせを行い、その修正などを反映した上で、全国のホテルに展開するやり方としました。

── テスト運用で修正点はありましたか。

細かなオペレーションに関する部分もありましたが、少し大きな部分では、会計時にPOSの操作をしない前提で進めていた点です。これはタブレットに入力したオーダー内容が、そのままPOSに連動され、会計時はPOSにテーブルNo.を入れれば金額が出るというものでした。そして総務では、POSと伝票の整合性の確認は一切なくなる予定でした。
しかし、レストランの現場ではタブレットへの入力ミスなどがまったくゼロではありません。会計時にお客様から指摘されて、気づくということもあります。その際、POSを操作できないと、タブレットで再度入力し直す必要があります。ただPOSと一緒にタブレットは置いてありませんので、結果としてお客様をお待たせすることにつながりかねませんでした。ですので、 会計時にPOSでの操作ができるように修正しました。これが大きい修正ですね。ただ、お客様をお待たせするわけにはいきませんので、お客様を優先しての修正です。

NCS&AにはPOSが操作されたときのログを取得できるようにしてもらい、総務ではPOSで修正があった部分のログの確認で、整合性が取れるものとしました。すべてを照らし合わせていたことと比較すると、かなりの業務効率化につながっています。

── 全国のホテルへの導入はいつ頃完了したのですか。

2023年7月19日に完了しました。「オーダーエントリーシステム」は既存のPOSシステムとの連動が可能ですので、マスタ入力など、導入に伴って発生する現場の負担は最小限ですみました。LANなどのインフラ面では既存の業務用LANを流用できました。一部のレストラン内ではWi-Fiの整備は必要となりますが、新たに専用線を引くといった必要がないので、ネットワーク面での整備も最小限で済みました。

レストランでの変化は、お客様からオーダーをお聞きする担当は手書きからタブレットへの入力に変わりました。キッチンは担当が伝票を持ってきたものが、キッチンプリンタの出力に変わりました。これはドリンクカウンターも一緒です。基本的にはタブレットの操作に慣れていただくこと、そしてキッチンプリンタからオーダーが届くことが新しく発生した内容です。

「オーダーエントリーシステム」以外での活用が可能

── 「オーダーエントリーシステム」の導入効果について教えてください。

1. 総務の業務負荷の軽減
「オーダーエントリーシステム」導入により、伝票がなくなり、タブレットでの入力が連動して会計まで進むようになりました。POSでの修正を行えるように変更しましたが、変更があるケースはそれほどあるわけではありません。総務で行っていた伝票とPOSとの照らし合わせ作業はほとんどなくなり、かなりの業務の軽減、効率化につながっています。また、ペーパーレスにも貢献しています。

2. ホール担当者の負担軽減
オーダーを受ける担当も、以前は伝票からの転記が必要であったり、伝票に加入した内容を再度POSに入力するなど、二度手間の部分がありました。「オーダーエントリーシステム」導入により、二度手間がなくなり、業務の効率化と転記ミスなどによる手戻りがなくなっています。そうした部分でお客様と向き合う時間の増加やていねいなご提案などにつなげていけることを期待しています。

3. タブレット端末の活用ができる
以前は社用のメールを受信したり発信するためには、フロント裏に設置されているパソコンまで行く必要がありました。パソコンの台数は決して多くないため、食材を発注するためにパソコンが空くのを待つこともありました。タブレット端末では、社用メールでのやり取りができるだけでなく、購買システムを利用したり予約システムを参照できます。従来は必要な食材のメモを作成してパソコンにまで行かないとできなかった発注業務が、厨房にいるままで行えるようになりました。細かな部分ですが、業務の効率化につながっています。
また、若いスタッフはタブレットなのでフリック入力ができることで、キーボードを使うよりも入力時間が短縮できるので助かるといった声もあります。

幅広い分野での提案とサポートに期待

── 「オーダーエントリーシステム」の今後の使い方についてお教えください。

タブレット端末の操作については、どうしても個人差があります。まだ全スタッフがスムーズに使いこなしているとまではいえませんので、そこをどうやって慣れてもらうかが課題ではあります。

「オーダーエントリーシステム」自体はファミリーレストランにタブレットが設置してあるセルフオーダーを行おうと思えば、できる機能もあります。ただ、当ホテルの方針として、お客様ときちんと会話をしながらオーダーをお受けしたり、ドリンクのご提案をするといったホスピタリティに重きを置いています。セルフオーダーを採用することはありませんが、ホテルの立地、あるいは一部の店舗においては、同様のサービスを行った方がいい場合もありますので、その点は今後の課題として検討していきます。

── 「オーダーエントリーシステム」並びにNCS&Aへのリクエスト・期待がありましたらお聞かせください。

現在、NCS&Aにリクエストしているのは、レストランの予約システムと「オーダーエントリーシステム」の連動です。レストラン予約の際に、お客様はどのコース料理にするかを選択されています。こちらが連携できれば、予約システムを見てタブレットに入力していた業務がなくなりますので、現場的にさらなる業務効率化につながると考えています。

「オーダーエントリーシステム」も引き続き現場の声をヒアリングしてもらい、アップデートを続けていただければと思います。NCS&Aには当ホテルのさまざまな分野のシステムなどを依頼していますので、「オーダーエントリーシステム」に関わらず、幅広いご提案とサポートを今後もとよろしくお願いします。

ホテルモントレ様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


※「E.M.O」はNCS&A株式会社の登録商標です。

◎ホテルモントレ株式会社
 創業/1986年4月
 本社/大阪府大阪市浪速区湊町1丁目2番3号
 URL https://www.hotelmonterey.co.jp
※ 取材日時 2023年7月
※ 取材制作:カスタマワイズ

 

 

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