メインフレーム撤退のニュース!慌てないためのプラン作り

2022年2月、富士通がメインフレーム事業からの撤退(生産は2030年、サポートは2035年で終了)を表明し、既に日立もメインフレームのハードウェア製造から撤退を発表しています。大手メーカーがメインフレーム事業から撤退する中、メインフレームの将来性に不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。

本記事では、メインフレーム撤退のニュースを聞いても慌てないプラン作りについて、お届けします。

メインフレームとは

メインフレームとは、企業の基幹業務システムなどに用いられる高性能の大型コンピュータのことです。
複数業務の並行稼働性に優れていて、特に大規模バッチ処理や大規模帳票出力業務に強いことが特徴です。また、高度なセキュリティ機能が備わっているなど、非常に優れた機能を持っています。

しかし、メインフレームの国内大手メーカーが撤退していくため、ユーザはメインフレーム上の業務システムやデータなどの情報資産をどうしていくか、検討する必要があります。

メインフレーム

最初に取り組む3つのこと

ここからは、最初に行う3つのことについて述べていきたいと思います。

1. 検討スケジュールの作成

まずは、メインフレームからの移行問題を解決するための検討スケジュールを作成しましょう。
現行メインフレームの保守サポート期間を踏まえて、移行方法の選択肢の洗い出しや、現状システム資産の洗い出しなど、「何を」「いつ」までにする必要があるのかを明確にしておきましょう。

検討スケジュールを作成

2. 移行方法の選択肢の洗い出し

次に、メインフレームからの移行方法の選択肢を洗い出しましょう。
既存のパッケージソフトで置き換えや、最新技術で一から業務システムを作り直したり、またはマイグレーションしたりなど、様々な選択肢が考えられます。
お客様の状況や、とりまく環境に応じた適切な選択肢を洗い出しましょう。

選択肢の洗い出しをしている男女3人

3. 現状システム資産の棚卸分析

システム移行する前に、現状システムについて十分に調べておきましょう。
新システムに移行するシステムやデータの範囲を決める必要があります。全てのファイルやデータを移行する必要があるのか、一部のみの移行でいいのか、慎重に検討しましょう。

現状システム資産の洗い出しが完了したら、棚卸分析を行い、使われている資産と、不要な資産をそれぞれ把握しましょう。 移行対象の資産から不要資産を除外することで、移行コストを大幅に削減することができます。

棚卸分析は、自社で行うか、専門的な知識を持った会社に依頼するかを決める必要があります。

棚卸し結果を眺めている男性

移行方法を決めるまでにする2つのこと

ここでは、移行方法を決めるまでに行う2つのことについて述べていきたいと思います。

1. それぞれの選択肢の検討

洗い出した選択肢について、検討しましょう。
人的リソースが確保できるか、移行対象の情報資産やデータの量、予算はどれくらいか、いつまでに移行完了しないといけないか、移行による業務への影響など、お客様の環境にとって、どの移行方式が最適か、しっかりと検討しましょう。

AかBか、札を上げている女性

2. 移行方法の評価(POC)

POCとは、「Proof of concept」の略称で、新しいアイディアや技術の実現可能性を検証することです。
机上での検討ではなく、検証するための「もの」を作り、実際に動かしてみることで検証を行います。
その際作る「もの」は、最小限の要素が備わっていて短時間で作れるものが望ましいです。移行方法ごとに検証の網羅性を高めるため、複数の検証を行う必要があります。

POCを行うことで、それぞれの移行方法の具体的な特徴や問題点、リスクを把握することができ、どの移行方法にするかを決定するために役立ちます。
最終的に、POCの情報を集めてコスト面も踏まえ、お客様の環境にとって最適な移行方法を決定します。

評価を話し合う二人

移行実行前に検討する3つのこと

ここでは、移行実行前に検討する3つのことについて述べていきたいと思います。

1. 移行プロジェクトの計画

移行方法が決定したなら、プロジェクトの情報をまとめ、関係者に共有していきます。

  • システムの目的、移行方針
  • 移行対象
  • 移行方法やテスト検証方法
  • 移行プロジェクトのスケジュール
  • 移行プロジェクトの体制
  • 業務への影響とその対処計画
  • 移行プロジェクトの費用

その上で、プロジェクト管理方法と運営方法について詳細にまとめたプロジェクト計画書を作成し、PMOなど社内の適切な部署のレビューを受けます。

移行プロジェクト計画表の例

2. 稼働検証と本番切替方法

実行前の段階で、新システムの稼働検証について計画を立てましょう。
業務での利用シーンを網羅したテスト仕様書(現新比較テスト)を作成し、バグが発生した際の修正、テストの方法や範囲、検証期間、切り戻しについても事前に決めておきましょう。

事前に計画された検証を終え、新システムに切替をして問題ないと判断できたタイミングで、旧システムから新システムに切り替えます。

その切り替え方式としては、一括で行うのか、段階的に行うのか、またはある一定期間は並行運用するのか、など様々な方法があります。
移行実行前の段階で、切り替え方式についてもお客様の環境やとりまく状況を踏まえて、決めておく必要があります。

現新比較など検証する

3. 新システムの稼働後の保守・運用について

保守・運用作業がスムーズに行えるように、担当者の引継ぎ計画も検討しましょう。また、業務担当者に利用方法についての教育計画も考える必要があります。

システム移行を自社で行うには、豊富な知識を持った人材が必要です。社内にそういった人材がいない場合や、社員の負荷が高くなる場合は、専門的な知識を持った会社に依頼することも検討しましょう。

レクチャーしている

まずは、はじめの一歩として、NCS&AのPlanetシリーズはいかがでしょうか?

メインフレーム上にある、お客様の大切な情報資産をどうするか。
メインフレームのシステムからのDXシフト、その後の保守、運用までサポートする多数の実績のあるNCS&AのPlanetシリーズはいかがでしょうか?

Planetシリーズは、お客様のメインフレームからの移行に役立つ、下記のサービスやツールを揃えています。

  • DX支援サービス
  • AirsNeo
  • ReverseNeo
  • Planet基盤

 

※〈AirsNeo〉〈ReverseNeo〉〈Planet基盤〉は、NCS&A株式会社の登録商標です。〈DX支援サービス〉は、NCS&A株式会社のサービス商品です。
※その他、記載している会社名、商品名等は各社の登録商標、または、商標です。
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