RPG言語の将来性

IBM i プラットフォームで長年活躍してきたRPG言語は、企業の基幹システムを支える根幹としてその地位を築いてきました。
しかし、クラウド化やデジタル変革の波が押し寄せる中、この伝統的な言語の将来性に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか

本記事では、RPG言語の将来性について、お届けします。

RPG言語とは

RPG(Report Program Generator)は、IBMの AS/400(現在の IBM i )プラットフォームで使用されるプログラミング言語です
もともとは1960年代にレポート生成やデータ処理を簡素化するために設計され、特にビジネスアプリケーションやデータベース処理に特化しています。
現在も企業環境で広く使われており、特に財務、在庫管理、給与計算などのシステムで活躍しています

RPG言語は、現在も多くの企業で使われている

RPG言語は、IBM i環境で構築された基幹システムの中核として、今なお多くの企業で稼働中です。
特に製造業や金融業、流通業では、長年培った業務ロジックと高い安定性が評価され、ミッションクリティカルな処理を担っています
これらの業界では、数十年前に構築されたレガシーシステムが今でも稼働しているケースがあり、RPG言語はそのメンテナンスや運用に使われています。

RPG言語の現状 強みと課題

ここからは、RPG言語の強みと課題について、述べていきます。

RPG言語の強み

RPGの最大の強みは、IBM iとの高い互換性安定性です。
データベース(DB2)とシームレスに連携し、トランザクション処理に優れるため、ミッションクリティカルな業務で信頼性があります
また、既存システムが長年稼働している企業では、業務に必要な処理の手順やルールが、RPGのコードで効率良く書かれていて、保守性もある程度担保されています。
これまでに、ILE RPG(統合言語環境)への進化があり、オブジェクト指向やモジュール化が導入され、現代的な開発にも対応可能となっています
また、近年は、FF RPGにおいて、固定形式から完全に自由な構文に移行し、より直感的かつ柔軟に業務ロジックを表現できるようになりました
RPG言語の強みである安定性処理速度の速さを維持しつつ、コードの可読性が上がることで、若手技術者にも習得しやすい言語へと進化しています

画像)RPG言語の強み

RPG言語の課題

RPGに精通した技術者の高齢化と減少が進み、後継者育成が難しいことが課題です。
新卒エンジニアは学生時代にJavaやPythonを学ぶ機会はあっても、RPGの学習経験は皆無です。
また、RPGは現代のWeb開発やクラウド環境を前提としたアプリケーションには適していません。
マイクロサービスのような最新のアーキテクチャに対応するには、他の言語やツールとの連携が必要で、開発が複雑化する傾向があります。
さらに、ハードウェア依存による柔軟性の欠如も問題視されています。

画像)RPG言語の課題

RPG言語の未来について このまま使い続けるか? 変革するか?

では、RPG言語の将来について、取るべき選択肢はどんなものがあるのでしょうか?

既存 IBM i 環境のハードウェア更改

IBM i プラットフォームの進化に伴い、ハードウェアを新しくすることによって RPG を活用し続けるという選択肢があります。
最新の Power Systems は、新しいアーキテクチャーへの対応が進んでおり、かつ RPG で構築された既存システムをそのまま活かすこともできます。そのため、低リスクで業務継続可能であることが、メリットです。
ただし、RPG 技術者の高齢化により、若手 RPG 技術者の確保や長期的な保守性が課題です。

画像)既存IBMi環境のハードウェア更改

IBM i 環境でのスクラッチ開発

RPG システムを現代的な言語(Java、Python など)でスクラッチ開発するという選択肢もあります。
これにより、開発者を安定的に確保しやすくなります。またシステムの柔軟性や拡張性が向上し、クラウドや AI といった最新技術を活用することが可能です
しかし、既存業務ロジックをスクラッチ開発(再構築)するには、長期間の開発となり、一時的に大きなリソースの確保が必要となります。さらに、システム開発・移行中の業務改善が滞ることが多くなります。

画像)IBMi環境でのスクラッチ開発

IBM i 環境でのパッケージソフト移行

RPGシステムが担ってきた基幹業務の代替策として、既存パッケージシステムへの移行という選択肢があります。
パッケージとして既に完成しているシステムに移行するため、迅速に導入することが可能です。
また、業務プロセスをパッケージソフトの仕様に合わせることで、プロセスの標準化が進み、業務の効率化につながる可能性があります
ただ、長年の業務に合わせた既存システムを変えることで、問題も多く発生します。また、既存パッケージでは対応できない業務に合わせるため、パッケージのカスタマイズが必要になることが多くなります。

画像)IBMi環境でのパッケージソフト移行

IBM i 環境でのマイグレーション

RPGコードをJavaなどの他言語に変換する、マイグレーションという選択肢も注目されています。
現行システムをベースにできるため、業務要件の見落としや要件誤りが少なくなることがメリットです。また、既存コードや設計を再利用できるため、ゼロから設計するより短期間での移行が可能です。
しかし、マイグレーションが成功するかどうかは、既存コードの複雑さやドキュメントの有無に左右されます。
さらに、従業員がマイグレーション後の新システムに慣れるまでには、時間がかかるため、一時的に生産性が低下する可能性があります。そこについては、一括で変換するのではなく、サブシステム毎に段階的に変換する手法も生み出されています

画像)IBMi環境でのマイグレーション

まずは、NCS&Aにご相談ください

RPG言語の将来性について不安な方や、課題を感じている方は、お気軽にNCS&Aにご相談ください。

継続利用

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parts04.png リンクバナー)IBMiアウトソーシング

 

オープンシフト

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parts06.png リンクバナー)システム資産マイグレーションサービスAirsNeo
parts07.png リンクバナー)アプリケーション開発基盤〈Planet基盤〉
parts08.png リンクバナー)システム開発・保守を革新する可視化ツールReverseNeo
parts09.png リンクバナー)中小・中堅製造業向け生産管理システム〈Factory-ONE電脳工場MF〉
parts10.png リンクバナー)中小・中堅企業向け販売管理システム〈スーパーカクテルCore〉

 

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※〈AirsNeo〉〈Planet基盤〉〈ReverseNeo〉は、NCS&A株式会社の登録商標です。
※〈PLANET/COMET i〉〈IBM i(AS/400)アウトソーシング〉〈DX支援サービス〉は、NCS&A株式会社の製品、または、サービスの商標です。
※「電脳工場」は、株式会社エクスの登録商標です。
※「スーパーカクテルCore」は、株式会社内田洋行の登録商標です。
※その他、記載している商品名等は各社の登録商標、または、商標です。
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